分子栄養学


血液検査をすると、検査項目がアルファベットでずらーっと並んで、その項目の数値が基準値より高いやら低いやらで☆印や↑とか↓が表示されますよね。
なかなか専門家でもないと意味がわからないので、とりあえず基準値内に収まっておけば「よし、健康やった」と思うじゃないですか?

しかし、基準値というのは『健康と思われる95%の人がこの範囲に収まりますよ』というものなので、検査項目によっては外れている方がより良いものもありますし、他の数値との兼ね合いで基準値内に収まっていてはいけないものもあるのです。

6月に人生初の人間ドッグを受けました。40歳を超えると無料で市から受けれる人間ドッグで、バリウム検査がつらいことを知りました。
以下はその時の血液検査の結果の一部ですが、

コレステロール値(LDL・HDL)

一般的に悪玉と言われるLDLですが、、、

HDLが基準値を超えてしまっています。
でもこれは善玉コレステロールみたいに言われるやつで大丈夫なのです。むしろ良いのです。高すぎるとよくはないですが、、、。
そしてLDL、学生の頃はものすごく低かったのですが、100を超えてきててびっくりしました。

あれ、やっぱ寄る年波には勝てないのかな?と、残念に思っていました。
そう、川合智さんのお話を伺うまでは!

川合 智さんの分子栄養学セミナー

7/14は川合智さんの『細胞と細菌を考慮したセルフコンディショニング法』というセミナーを受講してきました。
5月5日から7月15日まで、トリガーポイントが休みの日は自分のセミナーやら主催セミナーやら勉強会参加やらで休みがありませんでした。
毎月2回以上は何かしらの勉強会やセミナーに参加するようにしています。
そんな色々受ける中、川合智さんのセミナーは本当にとても秀逸な内容でしたので、みなさんにもぜひおすすめしたいです。
フィットネスに携わる方はもちろん、少しでも健康に興味や悩みがある方は全員受講したらいいのにと思います。

川合 智

講師の川合智さん・azcareのゼネラルマネージャーもされてます

以前受講された方に聞くと、内容は「難しい」とのことやったので、これはかなり集中して臨まないといかんなと意気込んでたのですが、とても理解しやすい言葉選びと構成で全然そんなことはなく、最初から最後までずっと面白かったです。
確かに、難しいか簡単かと聞かれると、僕も難しいと答えるでしょう。それは理解しがたいという意味ではなく、情報量がむちゃくちゃ多いのと、分子栄養学的な数値など覚えなければならない点があるからです。

さてそんな情報量満載のセミナーの中から、特にここを知れば!と個人的に感じたところをお伝えしたいと思います。


分子栄養学とは?

栄養素と生体の関係を分子生物学的な手法で研究する栄養学の一分野 (コトバンクより)
血液検査データを読み解くことで、内臓の状態、普段の生活習慣、食生活、ストレスレベルや免疫状態なんかが一通りわかってしまいます。

ダイエットがうまくいかない、体調がなかなかよくならない、アレルギー症状があるなどの場合は分子栄養学的アプローチが必要かもしれません。


ダイエットがうまくいかない原因

年代別の推移を見てみると、糖尿病患者や肥満患者は増えているのに、摂取カロリーは減っているという面白い話がありました。
問題は食品摂取の量的なものではなく、質的なものがよくない方向に推移しているようです。

具体的には精製されすぎた食品の増加、糖質、糖類に偏った食習慣、食物繊維の不足、たんぱく質の不足、リノール酸の摂取過剰、添加物です。

これらが全て肥満につながるのですが、質的な不足があるのに、さらに足りないものを減らす様なダイエットをしてしまうと、、、。



・血糖値のコントロールができなくてイライラしては失敗する。(コルチゾールやノルアドレナリンにはイライラさせる作用もある→血糖値コントロールがうまくいっていない可能性/うつ病と砂糖の摂取量は比例する)


・体調が悪くなって失敗する。(免疫力低下、有害ミネラルの排出困難)


・運動する元気、活動する力が無くなって失敗する。(筋肉活動の燃料であるATPを作り出せない。)


・セロトニン、ドーパミンなどの、ポジティブになる作用もあるホルモンの材料がないOR作れないために、後ろ向きな気持ちになって失敗する。(アンモニアが体内に蓄積するとセロトニンの産生を阻害する)


まだまだありますが、ダイエットが失敗してしまう理由が盛りだくさんなのです。


たんぱく質を消化吸収する能力

身体はたんぱく質でできています。骨も筋肉も内蔵も皮膚も髪も爪も、、、、、
ですのでたんぱく質が不足するとむちゃくちゃ不具合が起きます。

じゃあたんぱく質めっさ摂取しようぜ!と行きたいとこですが、たんぱく質を消化吸収できない体である場合、それは負担ですから不具合がおきてきますよね。

いろいろありますが、そのなかの一つ、

胃酸

が十分に分泌されていない場合。

胃酸の作用として、

  • 脂肪とたんぱく質の初期消化(B12の取り出しに必要)
  • 微生物の殺菌
  • ミネラルのイオン化(ミネラルを吸収できる形に変える)

などがあります。

胃酸により、ここである程度たんぱく質の構造が壊れてないと、次の消化工程がうまく行きません。


なので胃酸が分泌不十分な人は、たんぱく質をしっかり摂取する前段階、食事の際に胃酸がしっかり出る様なアプローチをしないといけないわけです。


〈胃酸分泌の簡易チェック〉

胃酸分泌が十分かどうかを調べる簡易チェック方として、朝起きてすぐ重曹2gをコップ1杯(100cc以上)に溶かしてゆっくり飲み、5分以内にげっぷがでるかどうか?という方法があります。
5分以内にげっぷが出なければ胃酸があんまり出ていないという判断になります。

この方法は過去に藤田先生の分子栄養学の授業でも聞いたことがあり、胃酸分泌不十分の疑いのある妻は、げっぷがでないし気持ち悪くなるしでした。

胃酸の分泌が不十分な場合、どうすればいいのか?
もちろん川合先生はたくさんの解決方法を教えてくれます。

いくつかある中の解決法1つを紹介すると、『食事中一緒に梅干しを食べる』
梅干しには胃酸分泌をサポートしてくれる働きや、ピロリ菌の運動性を抑制する働きがあります。

ですので後藤家では現在毎食梅干しが同伴してます。

ちなみに胃酸の分泌が悪い人は、すっぱい食べ物が嫌いなことが多いそうです。


腸内環境

小腸で3大栄養素の吸収が行われます。
体内に入る自分と違う『異物』は免疫システムによって攻撃・排除されてしまいますので、自分か異物かよーわからんという低分子状態レベルまで消化分解されている必要があります。
そしたら小腸で吸収できるのですね。

しかし、小腸の壁に傷などの穴が空いてると、未消化のものまで取り込んでしまい、『あら!ややこしい異物が入ってきた!』と判断されて免疫システム発動→炎症となってしまいます。これがアレルギーです。

うちの息子(現在1歳8ヶ月)は重度のアトピーで、卵、大豆、乳製品、猫に強いアレルギー反応を示し、皮膚に触れただけで真っ赤に腫れ上がってしまっていました。
かゆいので掻きむしることもあり、全身血まみれで、もう可哀想で可哀想で、、、。
傷だらけで血まみれの顔でニコッと笑いかけてくれる時は、なんとかしてあげないとと強く思ったもんです。

アトピー

この頃の写真を見ると泣きそうになります。

ほんとに症状がひどい時は写真が撮れませんでした。もっとひどい時があったのです。

治療が奏功し、現在はとっても綺麗になりました。アレルギーが治ったわけではないですが、肌のバリアがしっかりしていて、バリアのない場所から体内に異物が入らないようになれば、症状が出ません。


昨日の息子。鼻で変な音がするのに笑ってました。

最初何軒か回った小児科では「猫と一緒にこの子を育てるとは何事や。早く猫を誰かに引き取ってもらえ」「猫がいる限り症状は悪化し続ける」と言われましたが、現在は猫も克服。
息子も猫が大好きで毎日触り倒してます。

ぷりたろうと銀

腸も皮膚も同じで、本来入ってきてはいけないところから入ってくるとアレルギー反応が起こります。
入ってくるべき場所から、入ってくる物が入っていい状態に変換されている必要があるのですね。

傷や穴など、入ってきてしまう場所がある場合は、まずその穴を塞ぎ、アレルギー反応を起こさないようにバリアを張る必要があります。

そして、口から食べたものを消化吸収できる状態にするには身体がどういう状態になってればいいのか?


これは血液検査データを分子栄養学的観点から見るとわかるのですが、川合先生が1日かけてわかりやすく教えてくれるからこそ理解が得られることだと思いますので、僕がかいつまんで説明して「難しいな」と思われてしまうのはとても不本意なので割愛させていただきます。

なんせ腸内環境が悪いと、アレルギーが起こるし、体調が悪くなるし、肌があれるし、太りやすいということです。

余談ですが、保健所で中国人が乳児の子供の離乳食にチャーハンを食べさせてるのをうちの妻が見たらしく、「いいのかな?」と驚いていましたが、いいわけがなく、その子はアレルギー体質になるリスクが高いと思います。(リーキーガット症候群)


腸内の細菌バランス

『細胞と細菌を考慮したセルフコンディショニング法』

というセミナータイトルが付いているところからも、川合先生は腸内細菌を重要視しています。

腸内細菌は主に大腸内にいて、善玉菌、悪玉菌、日和見菌に大別されます。


善玉菌は腸壁を修復してくれたり、ビタミンを産出したりしてくれます。
反対に悪玉菌はアンモニアやメタンガスなどの体調を悪くしてしまう物質を産出します。

当然、悪玉菌が優勢な腸内環境はやばいわけです。

以下の図の様にまとめてみました。

腸内細菌の比率



ちなみに僕も昔はひどいアレルギー体質で、社会人1年目の、で患者さんの家を回ってリハビリをしている仕事をしていた時に、花粉症がひどくて運転中に目が開けられず仕事を休む、などということを何回かしました。
あの時はほんと、院長先生、患者さま、ごめんなさい。

今は花粉症の症状がまったく出ません。
何年前からかな?ほんとまったく出なくなりました。

腸内環境改善がうまくいったからなのでしょう。


血液検査データを読み解く

悪玉コレステロールと言われることもあるLDLですが、胆汁の原料になるものなので、不足すると胆汁が作られなくなり脂肪酸の吸収不良となります。
結果として脂溶性のビタミン(ビタミンA、D、E、K)を体内を取り込み難くなります。
なぜLDLの値が高くならないのか?
たんぱく質の摂取量が少ない、またはたんぱく質を消化吸収できていないなどがあります。

LDLが高すぎるのはもちろんよくないです。低いとよくないというだけです。
だいたい100くらいがいい感じとのことでした。

ということで、冒頭のLDLが低ければいいってもんではないことがご理解いただけましたでしょうか?

分子栄養学では一般的な血液検査で出てくる項目よりも遥かに多い項目をチェックします。

肝臓機能の指標として有名なASTやALTがありますが、以下の写真をご覧ください。

ALTとAST

これも僕の血液検査結果です

基準値内に収まっていますが、ALTがASTより1でも高ければ『脂肪肝』を意味します。

お、お酒を控えないといけません(´・谷・`)


運動よりも身近な食事

多くの人が運動と言える運動をしない日があっても、食事をしない日はないのではないでしょうか。
その食事による栄養摂取の悪影響が大きすぎたら、運動介入がうまくいかないのは当然なのかもしれません。

間違えた常識や思い込みで、よかれと思ってやった努力で体調を壊してしまうのは悲しすぎます。

トリガーポイントと出会えてよかったと言っていただけるのが僕の勉強継続のモチベーションとなっています。

縁があったみなさんの努力が結果に必ず結びつくお手伝いを、日々進化させながら頑張りたいと思ってます。



セミナー情報

そんな川合先生のセミナーですが、直近では8月18日に
「咬合と動作」「口腔と栄養」とし、専門分野の隔たりを無くし、共通言語・共通認識を持ったヘルスケアプロバイダーのコミュニティ形成を進めていくことを目的とした講習会があります。

関西地域 Interdisciplinary Integration講習会

【日程】
2019年8月18日(日) 10:00-17:20

【講義内容】
①10:00-11:20 川合智
“歯科医、歯科衛生士と共同介入するための運動と栄養の考え方”
②11:30-13:00 松浦崇
“咬合が変われば身体が変わる、身体が変われば咬合が変わる”
③14:00-15:20 三木絵梨香
“ライフステージごとの口腔マネジメント”
④15:30-17:00 川合智
“栄養の観点から見た口腔環境の重要性:口腔の破綻が招く様々な不調”
⑤質疑応答17:00-17:20

① 川合智 “歯科医、歯科衛生士と共同介入するための運動と栄養の考え方”
 ・咬合、口腔環境をサポートする運動戦略
・咬合、口腔環境をサポートする栄養戦略
・運動指導者が栄養の専門家に受け渡す基準
・運動指導者が歯科・口腔環境の専門家に受け渡す基準
・多分野の専門家が運動指導者とコミュニケーションを取るために必要な知識
・歯科医、栄養士に知ってほしい呼吸エクササイズ
・多分野の専門家に知ってほしい簡易歩行評価

② 松浦崇 “咬合が変われば身体が変わる、身体が変われば咬合が変わる”
・歯科医とコミュニケーションを取るために必要な歯の基礎知識
・運動指導者が評価するべき咬合のポイント
・咬合調整で起きる身体への変化

③ 三木絵梨香 “ライフステージごとの口腔マネジメント”
・乳幼児期の口腔の特徴と留意点
・口呼吸はいつから可能になるのか
・子どもの虫歯予防と健康
・歯周病と全身疾患
・オーラルフレイルとフレイル

④ 川合智 “栄養の観点から見た口腔環境の重要性:口腔の破綻が招く様々な不調”
・口腔環境の破綻が招く慢性炎症と消化吸収不良
・口腔環境と糖尿病:慢性炎症が招く耐糖能低下
・口腔環境と呼吸:慢性炎症が招く鉄欠乏と甲状腺機能低下、そして胎児への影響



【講師】
川合 智
PM Performance代表
AZCARE株式会社ゼネラルマネージャー
NSCA-CPT
JATI-ATI
栄養コンシェルジュ1ツ星&2ツ星

松浦 崇
まつうら歯科クリニック院長
提携:桜通り歯科クリニック(東京)
提携:松浦歯科津島新野(岡山)

三木 絵梨香
歯科衛生士
丸亀町ハビット歯科クリニック副院長

【場所】
大阪 シキボウホール
(最寄り駅:大阪メトロ御堂筋線 本町駅より徒歩2分)
http://www.shikibo.co.jp/enterprise/service/hall/index.html

【費用】
19,440円(税込) 

詳細とお申し込みはこちらからどうぞ



近藤拓人さんと後藤玄のセミナー情報

大阪初開催になります近藤拓人さんの『歩行(8月31日)』と『腰痛(9月1日)』のコースが申し込み開始になっております。

そしてわたくし後藤玄の『現場へのビジョントレーニングの導入 level1』も8月11日開催で、残席は3です。

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