前編からご覧ください
前編をまだご覧になっていない方はこちらを先にどうぞ。
では続きです。
ネガティブな反応
降りかかるストレスに対して、心身のどちらか、あるいはどちらにも余力がなく欠如し起こるのがネガティブな反応です。
「あー、無理無理。無理だわ。」
ってなった反応。
戦うのではなく、逃げることを選択したパターン。
この逃げる反応が、適応できなかったという状態です。
オーバートレーニング
心身症
うつ
腰痛などの痛み
など、思いついた一例ですが。
前回の燃え上がるフライパンの例で言うと、思いのほか、火の勢いが強くて火が近くに置いてあったティッシュに引火し、戸棚にまで火が回ったとします。
人によっては頑張って火を消そうと戦う人もいれば、「もうだめだ」と諦めて逃げる人もいるでしょう。
割と早めに諦める人もいれば、最後の最後まで粘る人など、人によってそれぞれですよね。
ネガティブな反応が起きる強度は人それぞれということです。
動物のナマケモノは一生のうち殆どを木の上で過ごすのですが、虎などの天敵に襲われた時、どのような行動をとるかご存知でしょうか?
もう見つかったらほぼ終わりなんですよね。あとは虎が木の上まで登れないのを願うばかり。
木から引きずり降ろされたら、普通の動物でしたら最後の最後まで足掻いて一矢報いようと奇跡を信じて暴れるところ、ナマケモノが選択する行動はすごいです。
「せめて簡単に牙が刺さって楽に死ねる様に、全身の力を抜く」
諦めの極致です。ある意味あっぱれです。
奇跡は起きないでしょう。

何もしたくない、、、戦争反対、、、
心身ともに強い場合はポジティブな反応が起き、どちらかが弱い場合はネガティブな反応が起きますが、同じ問題でも人によって違うのはこのためです。
5時間も寝た
5時間しか寝てない
両者の間では同じ問題でも、心の捉え方が違いますよね?
どちらにネガティブな反応が出るかはお分かりでしょう。
病は気からとはよく言ったものです。
自分のレントゲン写真を見ると腰痛が悪化するってご存知でしょうか?
また有名なところでは、ブアメードの血と呼ばれる実験もあります。

自分の腰椎にヘルニアがあると思うと腰痛症状は悪化する。健康な人にもヘルニアは普通にたくさんあるのに。
ブアメードの血
1883年、オランダでブアメードという死刑囚を使って一つの実験が行なわれました。
目隠しをしてベッドにくくりつけ、足の親指をメスで切り出血させ、
「どれだけ血を抜いたら、人は死ぬのかを調べる。」
とブアメードに言うのです。
医師達はブアメードがくくりつけられたベッドの横で、聞こえる様に話し合いをし、
「3分の1の量の血液が抜けたら死ぬだろう」と結論付けて、
「これから実験を始めます」
とブアメードに告げ、足の親指にメスを入れて出血させるフリをします。
実際には痛みだけを与えて、出血はさせておらず、用意しておいた水をポタポタと滴り落とし、その音をブアメードに聞かせ続けただけでした。
数時間後に医者達が話し合います。
「まもなく3分の1になるな。」
それを聞いたブアメードは静かに息を引き取ったそうです。
思い込みだけで死ぬことすらできる証明になったのでした。
プラセボは馬鹿にできない。けれども、、、
思い込みの力がそんなにすごいなら、良い様に思い込めばいいじゃないか!
5時間「も」寝た!と思い込めばポジティブな反応が起きるのか!
などと、
そんな簡単なことではありません。残念ながら。
意識的か無意識かでは、持っているパワーが全然違うからです。
無意識下でのパワーはものすごいのです。
意識的 vs 無意識的 では、どんな事象であれ無意識的の方に軍配が上がるんではないかと思います。
例えば、「意識的に姿勢をきれいに保とう」と思って、1週間の内にどれくらいの時間意識していられるでしょうか?
無意識の時間の方が圧倒的に長くなるはずです。
「足の裏のことを考えないでください!」
と言われると、考えたくなくても足の裏のことを考えてしまったでしょ?
これらが無意識の刷り込みと言われるやつで、人は知らない間にものすごい量の無意識の刷り込みをくらってしまっています。
日常生活のなかで、知らない間に刷り込まれまくっているのです。
先ほどの「5時間も寝た」と思い込みたくても、それを遥かに上回るパワーや規模の「5時間睡眠では体に悪いよ!」という刷り込みを気づかない内にされまくってしまうのです。
お母さんを始めとし、会社の同僚、雑誌、テレビ、、、、
では、自分でコントロールすることは不可能なのでしょうか?
すべて環境!
まず答えを言いましょう。
環境を変えることでしか、人は変われない!!
のです。
人は環境に左右される生き物であると理解しなければいけません。
入院してずっと寝ていたら、動かなくていい環境に適応して筋肉はなくなります。
周りに日本語を話す人ばかりなら日本語を話す様になります。
かわいい猫を撫でる行動ひとつとっても、人間は頭の方からお尻の方へ撫でるように知らない内に仕向けられているのです。
「頭の方からお尻の方に向かって生え揃っている毛という環境」によって。
すべて環境からの無意識下での無言のメッセージです。
なかなか気付くことはできません。抗い続けるパワーを維持することは困難です。
ですが環境を変えることはできます。
環境を変えて、それへの適応を起こしていくことはできるのです。
環境設定をどのようにすればいいのか?
長くなってきましたので続きは次回で。
セミナー情報
「現場へのビジョントレーニングの導入」
スケジュールと詳細はこちら
2020年1月14日現在、
1月の東京は満席
3月の岡山は残席わずかとなっております。
近藤拓人さんによる「体性感覚/視覚/前庭覚と運動の統合」
2020年 3月20・21・22日の3日間セミナーを大阪で開催することになりました。
詳細とお申し込みはこちらから。
最高の学習環境『AZCARE ACADEMY』はこちらから